いちごキャンディ×ブラックチョコレート
ご飯を食べ、お酒を飲み、程よく酔いが回ってきた頃。


「赤ワイン1つ!」


何杯目か分からないが、仁科さんはワインを頼みだした。

よく飲むのに顔に全く出ない人なんだなあ。


「依知子は何飲む?」

「私は烏龍茶を……」

「お酒終わり!?」

「これ以上はちょっと」

「まあ、無理はしないで」


自分はお酒を沢山飲むが、他人には強要しないようだ。

そして気づけば私のことを名前で呼ぶようになっていた。

友達がいないわけじゃない。

でも周りにこういう人はいなかった。

だからということもあって仁科さんへの興味はより一層増していった。

それに妙にウマが合う。

名前が果物みたいという共通点があったから仲良くなれたのかもしれない。
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