いちごキャンディ×ブラックチョコレート
彼は席に座っていた。

そして進藤先輩も。

パソコンと睨めっこしており、非常に声がかけづらいが、そっと近づき声をかける。


「お疲れ様です。ま、慎さん」


彼は私に気づき、勢いよくこちらを向いた。


「あ、……楢本。そうかもうこんな時間」

「まだお仕事ですか?」


先程の集中ぶりからまだ仕事が残っているのではないかと思った。


「悪い。今朝から障害対応していて……まだ仕事があるんだ」


そうだったんだ。

それなら近くのカフェで待ちますよと言おうとしたが、その言葉は喉から出ることは無かった。


「また今度でもいいか?」


私より一足先に汐理さんがそう言ったから。
< 178 / 194 >

この作品をシェア

pagetop