いちごキャンディ×ブラックチョコレート
なぜこんなことをするのか理解できない。

槇さんはお菓子を入れて満足したのか、そのまま立ち去ろうとした。

これがこの先も続くのかも知れないと思ったら、彼の腕を掴んでいた。


「ま、槇さん」

「なに?」

「この行動の理由を……教えてください」

「教えない」


即否定!?


「こんなに大量のお菓子、頂けません!教えてください」

「楢本にあげたかったから」

「そんな単純な話じゃないですよね?」


お菓子が大量に入った袋を槇さんに手渡す。

意味もなくこんな行動に出るはずがない。

絶対に何か裏があるんだ。


「槇さん」

「……じゃあ。こっちの席に来ないよね?」

「え?」

「こっちの席に来ないんだったら、お菓子辞めるよ」


どういうこと?

私が槇さんの席に行くのと、このお菓子に一体なんの関係が?


「何故行っちゃダメなんですか?」


槇さんの席に行ってはいけない。

すなわち、進藤先輩にも会いに行けないということ。だって2人の席は隣同士だから。


「それは……」

「お疲れ様!」


ちょうどタイミングよく、いや、タイミング悪く誰かの声で遮られる。

その誰かというのは。
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