いちごキャンディ×ブラックチョコレート
「だから言ったじゃないですか、進藤さん。楢本は絶対にびっくりするからって」

「お、おう」

「少し様子を見てからにしましょうって」

「わ、分かってるよ。言いたくなったんだから仕方ないだろ?」


声が遠い。

2人は一体何言ってるの?


「進藤さんは今日は早く帰る予定なんですよね?ほら、行った行った」

「おまっ!俺、一応先輩だぞ?」

「ハイハイ」

「楢本。また改めて報告するよ」


足音が遠のく。

進藤先輩がいなくなったみたい。

そして目の前には槇さん。

その表情は酷く辛そうだった。

なんで槇さんがそんなに辛そうにするの?

槇さんは私の話を聞いてくれていただけで。

スっと目の前に手が伸びてくる。


「おいで」


槇さんの手を取り、私は彼について行った。
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