いちごキャンディ×ブラックチョコレート
移動してきたのは2つ上の非常階段の踊り場。

聞きたかったこと沢山ある。

槇さんと2人きりの今、私はゆっくりと口を開いた。


「……槇さんは、知ってたん、ですか?」

「進藤さんのことだよね?」

「はい。先輩にそういう相手がいること」

「薄々は感じていた。でもはっきりとした確証は得られなかったから」

「だから私には何も言わなかった。そうですね?」

「ああ」


槇さんは悪くない。

確証の持てないことを言っても、私が混乱するのは目に見えていたはず。
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