流星サイダー
…とは言ったものの
今まで17年間、同じ時間を過ごして来たのに
壱星にチョコをあげるのは初めてで。
そもそも、甘いのが嫌いな壱星が
チョコを食べてくれないのも初めからわかってる。
それでも何故か
壱星は、あたしのチョコを受け取ってくれる。
食べてくれる、と根拠のない自信があった。
自意識過剰だと言われても
あの日の言葉が、壱星の揺れた瞳が
そう思わずにはいられなかったから。
『こんな関係、ぶち壊してやりたかったのに。』
もちろん、そう言った壱星の言葉を
理解出来ない程、子供じゃない。
でも、あたしが望む形は
壱星とは違う。
あたしは、この幼なじみという関係が
ううん、腐れ縁って関係が
一番心地いい。
壱星だって、きっと
すぐに気が付くはずだよ。
あたしに抱いた感情が、思い違いだったって事。
傍にいた女の子があたししか居なかっただけ。
だから大丈夫。
そんな安易な考えでいたんだ。
――心のずっと奥底にある
本当の、自分の気持ちに気が付かないまま。