流星サイダー
ドキドキと煩い心臓。
まるで自分が女の子になったみたい。
いや、みたいじゃなくて女の子なんだけど!
でも、チョコを渡す事がこんなにもドキドキするなんて思わなかった。
仲直りの為のチョコなのに、そこに深い意味なんてないのに。
体全部が心臓になったみたい、緊張が循環してゆく。
「…普通に、普通に!」
言い聞かせるように呟きながら、自分の教室を出て真っ直ぐ壱星のクラスを目指した。
壱星の居る教室は
あたしのクラスを出て右に曲がった一番端で。
きょろきょろと辺りを見渡しながら
カバンを両手に抱いて慣れない廊下を早歩きで進む。
こうして壱星に会いに教室に向かうのは
どのくらい振りだろうか。
思えば、壱星がいつも訪ねて来てくれるから
あたしはあまり壱星の教室に行った事がない気がする。
用があれば家に帰ってからでも会えたし
そう考えると、壱星は特に用事らしい用事もなくあたしに会いに来てたんだ、と今更ながら思った。