お見合い婚 俺様外科医に嫁ぐことになりました
◇◇◇
玄関から物音が聞こえたのは、千花がパウダールームにバスタオルを収納しているときのことだった。
腕時計を見てみれば午後六時。今日はいつもより早く病院から解放されたみたいだ。
「おかえりなさい」
パウダールームをいったんそのままにして、千花は玄関へ向かった。何度となくこうして玄関で出迎えているが、まだなんとなく照れくさい。
修矢もそうなのか、いつも「ああ」と短く返すだけ。
「部屋、結構片づいたな」
「あれからずっと頑張りましたから」
そういえば休憩すらまともにしていなかった。持参したお茶も飲まずじまいだ。夕食の準備もまだ。
「すぐにご飯の支度をしますね。コーヒーでも入れますか?」
「いや、大丈夫。まだ作っていないなら、たまには外に出よう」
そうであればすぐに準備をと思い、千花がバッグを取りに行こうとすると、「千花」と修矢が呼び止める。