お見合い婚 俺様外科医に嫁ぐことになりました
最後まで言い終える前に、千花の唇が修矢に塞がれる。同時に腰を引き寄せられ、修矢の腕に強く抱き込まれた。
重なり合うだけのキスはほんの数秒。腕の力と裏腹にすぐに唇が解放され、間近で絡んだ視線をどうしたらいいのかわからない。薬指に輝く指輪のせいなのか、千花の胸は高鳴るいっぽう。
「今ので五回目」
そう囁く修矢の吐息が唇にかかる。六回目のキスを予感させる空気が舞い降り、千花はゆっくりと目を閉じた。
再び唇が重なる。啄むような優しいキスはいつしか深くなり、口腔内で舌が絡み合う。
ひとつになろうと、舌が意思をもって動いているようだった。
甘くて、熱くて、千花はとろけてしまいそうになる。
いったん唇を離した修矢が「千花」と甘く囁いたときだった。キスの余韻に包まれる中、部屋のインターフォンが鳴らされた。
うっとりするような甘い時間をいきなり断ち切られ、千花は一瞬どうすべきかわからなかった。
修矢が首を捻りながらインターフォンに近づくところを見ると、来客の予定があったわけではなさそうだ。そうしてモニターをタップした修矢が、その場で絶句する。
どうしたのかと思い千花がモニターを覗き込むと、そこには見知らぬ男性が映っていた。