お見合い婚 俺様外科医に嫁ぐことになりました

「はい」


千花はそれに精一杯心を込めて頷く。
つれない。そんなところはなきにしもあらず。
だが、千花が修矢を見捨てるなんてことは、一生ないと言い切れる。

一樹は「とにかくおめでとう!」とありったけの笑顔を置き土産に、慌ただしくマンションから去って行った。


「……相変わらずだな、ほんとに」


いきなり静かになった部屋で、修矢がポツリと呟いてから千花のお腹に触れる。


「まだ動かないか?」
「修矢さん、気が早すぎ。まだ三ヶ月ですよ? 修矢さんって一応お医者様ですよね?」


千花がクスクスと笑う。
あまりにも気が早すぎるのではないか。


「一応とはなんだ」
「だって、胎動は早い人で五ヶ月とか六ヶ月とか、もっと大きくならないと感じないですよ。でも、順調に育っているみたいですから心配しないでくださいね」
「とにかくなにか異常を感じたら、すぐに俺に言ってくれ」

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