お見合い婚 俺様外科医に嫁ぐことになりました

プロポーズまがいのことを言うような目では決してない。それどころか、戦いでも挑まれているかのようだ。


「……それじゃ、私のことも好きになってくれるんですか?」


千花がなによりも気がかりなのは、そのことだった。

幸せな結婚だと、修矢はたしかに言った。それならば修矢も千花を好きでなくてはならない。
結婚だけが目的ではない。その先にある未来は、同じ方向を見て歩くのが千花の理想だから。

千花が真偽を確かめるように見つめていると、修矢の顔が突然近づいてきた。そして――。

(えっ!?)

息も吐かせぬ速さで唇が触れ合う。


「千花、俺を好きになれ」


言われるなり、今度は身体がふわりと浮いた。なぜか修矢が千花を抱き上げたのだ。

キスに続けてお姫様抱っこ。
一連の出来事が瞬く間に起こり、自分の身になにが起こったのか、千花はわからなかった。
まるで一陣の風に吹かれて舞い上がったよう。

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