お見合い婚 俺様外科医に嫁ぐことになりました
「あの!」
かすかに触れただけの唇がやけに熱い。
「足、痛いんだろう?」
「そ、それはそうなんですけど……そうじゃなくて、今のです……!」
まさか気づかれていたとは。
足が痛いのも確かだが、それよりも今はこっちだ。
「キスになにか問題が?」
修矢がとぼけたように言うから、千花の眉間に皺が寄る。
「だって私たち――」
「今日からキミは俺のフィアンセだ」
千花の言葉を遮り、修矢がきっぱりと言い切る。
「フィアンセって!」
だから問題ないとでも言うのだろうか。
千花はもう、なにがなんだかさっぱりわからない。頭の中はもつれた糸が絡まった状態だ。