お見合い婚 俺様外科医に嫁ぐことになりました
「……すみません」
素足を見られる恥ずかしさに襲われながら、千花はおとなしく言われたままになる。
修矢はダッシュボードを開けると、そこに入っていた小さなケースを取り出した。中身の様子から救急セットのようなものみたいだ。そこから出したウエットティッシュで千花の足を軽く拭い、絆創膏を貼ってくれた。
「真っ赤にはなっているが、皮がむけた程度だからすぐに治るだろう」
「ありがとう……ございます」
修矢は丁寧にも再び足袋と草履を千花に履かせ、それから運転席へ乗り込んだ。
低音を響かせてエンジンがかかると、一斉にブルーのライトが流れるようにしてフロントに灯る。滑らかに走り出した車は音も気にならない。
滑るようなレザーの肌触り、しなやかなホールド感、心地いいスプリングの座面。
その車は、どの部位も千花の知っているものではない。なにもかもが高級感で溢れている。
やっぱり腕の立つ外科医は庶民と違うのだと、千花は心の中で呟いた。
走りだして数分後。
「大事なことを言い忘れてた」