お見合い婚 俺様外科医に嫁ぐことになりました
強烈な暗示にでもかけられてしまったか。もしかしたら修矢は、催眠術師かなにかか。
不思議なことに、千花の望む結婚ができるのなら修矢の言う通りにしてもいいかもしれないと思い始めていた。
「まどろっこしいことは嫌いなんだ。決めたことは即実行に移すに限る」
なんて素早い決断力と行動力なのだろう。もしかしたらそれは一分一秒を争い、ひとつの決断が患者の生死を左右することもある外科医ということも関係しているのかもしれない。
実際、修矢の決断により、千花は見合いを断るどころか結婚まで一気に話が進んでしまった。それこそ深呼吸を一回するかしないかの時間で。
めまぐるしい展開に、千花はまだ追いつけていない。気持ちが動き出すよりも早くキスまでしてしまい、まだ動揺の最中にいる。
(私、こんなにあっさり結婚を決めて大丈夫なの? っていうか、決めたの? 流されるのもたいがいにしないと、あとで泣きを見るのは私なんだから。それに相手は、ほとんどしゃべったこともないような人、しかも超を付けても足りないほど無愛想なうえに俺様っぽいような人なんだけど……)
目の前の信号が青になり、車が再び走り出す。