年下御曹司の、甘い提案が聞きたくて。
「…俺、早く望美と二人だけで暮らしたいな」
一人だけの時間が多かった輝はそう言って甘え、一緒にいる間は片時も私から離れようとしない。
そして、これまでは我慢していたけれど、出張帰りには空港まで自分を迎えに来て欲しいと強請り、前から課長の夫婦が羨ましくて仕方なかったんだ…と教えてくれた。
「ゲートの外で必ず抱き合って微笑み合うんだ。それがとても仲睦まじそうで素敵で、俺もあんな風に望美と一緒に抱き合えたらいいな、と思ってたんだよ」
それなら自分と同じだと思った私は快諾し、輝が国外へ出張した時には迎えに行き、彼の帰りをゲートの外で待ち、姿を見つけたら一目散に駆け寄り、ぎゅっと体を抱き締めて、「お帰り」と声をかけるようにしている。
先輩の今井さんからは、最近幸せそうね、と声をかけられ、式には絶対に呼んでよね、とお願いもされた。
私は彼女に、はい…と返事をして微笑み、つい最近輝に貰った婚約指輪を撫で、その日が来るのを待ちわびている。