年下御曹司の、甘い提案が聞きたくて。
「あ……ん…っ…」


久し振りだからか反応するのが早い。
輝は私の胸に吸い付きながらも自分も衣類を脱ぎ始め、お互いに上半身裸のままでベッドに凭れ込んだ。


「シャワーを」

「ダメ。後からにしろ」


とにかく先に繋がりたい、と訴える輝の目は野生動物みたいだ。
時々骨を噛む様に体を彼に求められ、こんなに激しくされるなんていつぶりだろうか、と振り返る余裕もなく貪られた。


「望美…っ…」


彼に貫かれた時には、一気に舞い上がってしまい体が硬直する。
普段は優しくてこんな激しさも見せない彼が、時に見せるオスの顔にゾクッとした。


「輝…っ」


首に手を回して彼の体温ごと抱き締める。
こんな風に愛されることを私もずっと望んでいたんだ。


荒い息遣いとベッドが軋む音。
お互いの名前を呼ぶ声と、私の喘ぐ声とが暫く続いた後___


チャポン…と水音を響かせながら、部屋に付いている露天風呂の中に二人でいた。
眼前にはまだ日の差す相模湾が見え、彼方に房総半島が見渡せている。


< 27 / 194 >

この作品をシェア

pagetop