3秒後、きみと恋がはじまる。
「茜くん、お昼ご飯一緒に食べませんか!?」
「友達と食うから」
うっ、まだ負けないぞ。
そして、茜くんといつも一緒にいるお友達が羨ましい…。
たしか、茜くんが「要(かなめ)」って呼んでいた気がする。
・
「茜くん、一緒に帰りませんか!?」
「図書館で勉強して帰る」
「い、一緒に行ってもいい!?」
「邪魔」
くっ…。まだまだ!
…ていうか、テスト前でもないのに勉強するんだ。えらいなぁ。
私なんかテストの前日にしか教科書を持って帰ってすらいないよ。
・
「茜くん、おはよう!」
「…」
「今度どこかに遊びにいきませんか!?」
「行きません」
毎日特進科に会いに来ては、惨敗して帰っていく。
そんなあまりにも手強い茜くんに泣きそうになっている私を、お友達の要くんが眉を下げて申し訳なさそうな顔をして見ている。
…なんか気を遣わせてしまった。