3秒後、きみと恋がはじまる。
「三好ちゃん!」
茜くんに恋に落ちてから、1週間。
今日も冷たい彼に惨敗してとぼとぼと廊下を歩いている私を、後ろから追いかけて来たのは要くんだった。
ダークブラウンの髪が大人っぽい、メガネ男子だ。
いつも茜くんと一緒にいるけど、もしかしたら茜くんは女の子じゃなくて要くんが好きなんじゃ…?
「なんかごめんね、アイツいつも冷たくて」
「あ…いえ、私がしつこいだけなので…」
本当にそう。私がしつこいだけだ…。
「俺、中学の時から茜と一緒なんだけど…
茜、女の子にモテすぎて色々大変だったんだよね。
ほらアイツ、格好いいし頭もいいじゃん?」
「うん…」
「誕生日とか、誰が最初に茜にプレゼントあげるかで大喧嘩になったこともあって。
それでうんざりして、女の子たちに誕生日教えなくなったりとか」
そ、そんなことがあったんだ…。
私には未知の世界だな。
「モテるのも大変なんだね…」
「でも、三好ちゃんのガッツには感動したよ。
ぜひ頑張ってほしい!」
なんだか目をキラキラさせている要くんに、ええ、と困惑する。