元ストーカーの夫は、
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―――翌日。
珍しく遥から、まだ昼過ぎなのに今日の帰りが遅くなる旨のメールが届いた。

いつもであれば、定時ギリギリまで粘ってそれでも遅くなりそうな時にメールで連絡してくる。

返信画面を開きながら、珍しいなぁ、と思う反面、昨日の妹さんの姿が脳裏をチラリと過った。


……いや、私、心狭すぎでしょ。


それに遥は、仕事で遅くなるって言ってるんだし。
自分で自分に呆れながらも、いつも通りに『了解』とだけ送った。……なんとなく、ハートマークの絵文字も付けて。

そしたら秒で返って来た返信に、思わず噴き出してしまった。


【即保存した!】

【え、怖っ】

【えぇ!?なんで!?】


滅多にメールで絵文字を使わない私が少しでも絵文字を使うと、遥はこうやっていつもメールでも嬉しさを全開で表してくれる。

それが、嬉しくもあって。

いつも通りの彼の反応に、ホッとしつつ頬が緩む。



……本当、人間の慣れって怖いな、と常々思う。
いまだに時々、彼の愛情を重いと感じてしまう瞬間はあるけれど、基本的には慣れてしまった私は、この重さがなければ物足りないとさえ最近思ってしまうのだ。
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