【完】無自覚な誘惑。〜俺だけを見てよ、センパイ〜
和泉くんも、私じゃない子の方がいいだろう。
重たいキャリーバッグを転がし、宿屋の方に足を進める。
部屋割り表を見ると、私はどうやら一人部屋らしく、三人部屋もあるなか一人で使わせていただくのは少し申し訳ない気がする……。
合宿の説明書類を眺めながら、そんなことを考えていると、
「静香ちゃん。ちょっといい?」
背後から声をかけられ、佐倉先輩に呼び止められた。
「はい、どうかしましたか?」
なんだろう……?
じっと佐倉先輩を見つめると、その隣に一人の男の子がいることに気づいた。
「こいつ、一年のマネージャー」
佐倉先輩は、そう言ってその男の子を指差す。