【完】無自覚な誘惑。〜俺だけを見てよ、センパイ〜

ひとつひとつ柴原くんが丁寧に説明してくれて、私も必死にメモを取る。


体育館以外にも、食堂や洗濯場の説明もしてもらって、粗方の仕事は把握出来た。



「基本的に、荷物運びとか、男手が必要な仕事は俺がしますっ……!花染さんには、洗濯とか、料理の方お願いしても、いいですかっ……?俺、に、苦手で……」



申し訳なさそうにお願いする柴原くんの頭に、チワワの耳が見えるほどの圧倒的小動物感。



「はい、わかりました」



私の返事に、柴原くんはぱあっと顔を明るくさせた。



「あ、ありがとうございますっ、花染さん……!」



か、可愛い……。

こんな弟がいたら、可愛くて仕方なかっただろうなぁと思うくらい、柴原くんは愛嬌たっぷりな男の子に思えた。


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