【完】無自覚な誘惑。〜俺だけを見てよ、センパイ〜
【side 健太】




全員にタオルを配って、俺はふぅ……と息を吐いた。

静香さんが手伝ってくれて、助かった……。


それにしても……



「やばい、静香先輩の手渡し……」

「貴重すぎて飲めないんだけど……」

「つーか近くで見たらまじやばかった。超綺麗だったんだけど」

「俺らサッカー部でよかったな……!」



静香さんからスポーツドリンクを受け取った部員たちが、揃いも揃ってそれを大事そうに抱えている。


みんな喉乾いてるはずなのに、何やってるんだろう……。



でも、静香さんは、そのくらい俺たちにとって雲の上の存在の人。


噂は、入学してすぐに俺の耳にも入ってきた。


2年に、とんでもない美人がいるって……。


良くない噂も聞いたことが会って、今日話すまでは、そんな人とやっていけるだろうかと不安だったけれど……

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