【完】無自覚な誘惑。〜俺だけを見てよ、センパイ〜

コートを囲むように、歓声を飛ばしている部員さんたちとマネージャーさんたち。


私はコート端で待機していた健太くんのもとに走っていき、声を掛けた。



「健太くん」

「あっ……静香さん……!」

「あの、今って、何か仕事あったりしませんか……?」

「えっと、今は比較的大丈夫です……!そ、それより、キャプテンの練習試合始まりましたよっ……!」



佐倉先輩の?


どうやら今は初日の練習試合をしているらしく、コート上には走る佐倉先輩の姿があった。



「キャプテンはマジで凄いんですっ……!!大学から推薦もらうくらいの実力なんで、素人目でも楽しめると思いますっ……!!」



目を輝かせながら説明してくれる健太くん。

辺りを見渡すと、健太くんだけではなく、周りにいる人全ての視線が佐倉先輩に集まっていた。


< 172 / 507 >

この作品をシェア

pagetop