【完】無自覚な誘惑。〜俺だけを見てよ、センパイ〜
【side健太】
「静香さんが倒れた……!?」
佐倉先輩からそう聞いた時、驚きのあまり心臓が止まった気がした。
「静香ちゃんがいなくても、仕事回せる?」
「流石に、俺1人だと間に合わないので……せめて他のマネージャーに、夕食作るように頼んでもらってもいいですか?」
「わかった」
今日のこれからの仕事よりも、静香さんが心配で仕方なかった。
きっとしんどかったのに、心配かけないようにって元気に振舞ってたのかも……。
そう考えると、静香さんのいじらしさに胸が痛む。