【完】無自覚な誘惑。〜俺だけを見てよ、センパイ〜




「本当は学校でちゃんと言おうと思っていたんだけど、みんな……花染さんにお礼を言おうか」



……え?



「「「ありがとうございました!!」」」



一斉にそう言われ、頭を下げられる。

突然のことに戸惑いと恐縮な気持ちで、私も急いで頭を下げた。



「こ、こちらこそっ……!」



むしろ、部外者にこんな貴重な経験をさせてもらえて、こちらの方が感謝しなきゃいけないのに。

佐倉先輩は、あたふたしている私を見てふふっと笑った。



「1週間本当にありがとう。また学校でね」

「はい、ありがとうございました……!お先に失礼しますね……!」



もう一度頭を下げてから、キャリーケースのバーを握る。



「静香、お兄ちゃんが持つよ」

「ありがとう」



お兄ちゃんが代わりに車まで運んでくれて、私も追いかけるように振り返る。

< 411 / 507 >

この作品をシェア

pagetop