【完】無自覚な誘惑。〜俺だけを見てよ、センパイ〜
「本当は学校でちゃんと言おうと思っていたんだけど、みんな……花染さんにお礼を言おうか」
……え?
「「「ありがとうございました!!」」」
一斉にそう言われ、頭を下げられる。
突然のことに戸惑いと恐縮な気持ちで、私も急いで頭を下げた。
「こ、こちらこそっ……!」
むしろ、部外者にこんな貴重な経験をさせてもらえて、こちらの方が感謝しなきゃいけないのに。
佐倉先輩は、あたふたしている私を見てふふっと笑った。
「1週間本当にありがとう。また学校でね」
「はい、ありがとうございました……!お先に失礼しますね……!」
もう一度頭を下げてから、キャリーケースのバーを握る。
「静香、お兄ちゃんが持つよ」
「ありがとう」
お兄ちゃんが代わりに車まで運んでくれて、私も追いかけるように振り返る。