扉に光るランプ〜落とした想いの物語〜
episode4

弱い心

「んん……あれ…」


（ここは、どこだろう）


目が覚めると、不思議な違和感に覆われた。


そういえば、私はなぜ寝ているのだろうか?


いったい何が…。


「あ、目が覚めた？ アリスちゃん」


「！？」


目が覚めると、女の子みたいな可愛らしい顔のした男の子がのっかるかのように顔を覗かせてきていた。


（ち、近い）


「渢和〈ふわ〉、お前がのっかり気味だから、動けないだろ」


「あ、そっか」


「！」


（あ、そうだ…思い出した）


あの人に連れられて変な隠し扉みたいな場所に入って、なぜか穴の空いた場所に飛び込まさせられたんだった。


「えっと…」


むくりと起き上がると、ようやく自分のいる状況に理解した。


（ソファに寝かされてたんだ）


「………」


辺りを見渡すとダイヤ柄の壁紙にアンティーク調のインテリアや小物がたくさん飾られていた。


（かわいい部屋…）


なんかアリスぽい感じで。


「おしゃれなお部屋でしょ?」


「えっあ…はい」


かわいい男の子が不意に声を掛けられて、おそらく年下だと思うのだが、思わず敬語で返事をしてしまった。


てか、この子からも「アリス」って言われてる。


私、アリスという名前じゃないんだけど。


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