ひと夏の恋をキミと
「姫奈、聞いてほしい事があるんだ。」


ゆっくり落ち着いたトーンで話す陽輝に
身構えた。


だけど、この時の私は
なんとなく想像できてしまったんだ。


これから陽輝が言うであろう言葉も、
ここへ連れて来てくれた理由も。


だって、陽輝は
愛しいものを見る瞳をしてたから。


「俺、姫奈の事が…」「待って!!!」


耳を塞いだ。何も聞こえないように。


「言わないで…。」


この先を聞いてはいけないと思った。




聞いてしまえば
私はこの気持をぶつけてしまうから___
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