ひと夏の恋をキミと
「…何があっても姫奈が好きだから。
姫奈になんて言われても、
嫌われても、俺はいつだって
姫奈の事しか考えられなくて…。
俺の世界は姫奈で埋め尽くされてるんです。
もう遅いんです。
俺には…姫奈が必要なんです…。」


姫奈の事になると
どうしてこうも弱くなるんだろう。

泣きたくないのに
勝手に涙が溢れてくる。


「姫奈は、この手術が終わって
目が醒めるかどうかも分からない。
それに目が醒めても色んな後遺症が
残るかもしれない。
陽輝君、君はまだ16だろう?
そんな姫奈の為に一生を棒に振ることはない。
別の人との幸せを望んでも、
姫奈を忘れても、誰も責めないよ。」


姫奈のお父さんの言葉が
胸に突き刺さった。
確かに、100人中100人がそう思うだろう。
けど、
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