【最愛婚シリーズ】極上CEOにいきなり求婚されました
パニック中の頭を働かせて、なんとかこの場から去る方法を思案する。
しかし……いい案が思い浮かばない。
今までの人生で一度だって、こんな――出会ったばかりの相手とベッドインすることなんてなかったのだから、対処の方法なんてわかるはずない。
わたしの態度に一瞬驚いたようにしていたが、微笑んでぐいっと距離を近づけてきた。ベッドの端っこまできていたわたしには、もう逃げ場がない。
わたしが避けたのを分かっていて、なおこの態度とは……よほど女性慣れしているに違いない。
警戒するわたしを気にも留めずに、彼はわたしの腰に回した手に力を込め引き寄せる。
シーツの下では素肌のわたしたち、引き寄せられたら……。
ちょ、ちょっと……あたっちゃう!
慌ててガバッと体を起こした。もちろんシーツで体を隠しながら。
「もう起きちゃうの?」
「う、うん。用事あるし」
本当は特に予定はない。本来は二日酔いだろうし部屋でゴロゴロするつもりだったけれど、それどころではない事態に陥ってしまっている。
「じゃあ、一緒にシャワー浴びよう」
シーツを押さえている胸元の手を彼が握ってきた。