総長さんが甘やかしてくる③


高校では、完全に孤立した。


「やべえのと同クラになったよな」
「しっ、聞こえたら命ねぇぞ」


俺に関わろうとするやつはいなかったが、


「でもさ。遠目で見るより超イケメン。付き合いたいなあ」


女からは注目されることもあった。


「バカ。妊娠させられるよ!?」


いつのまにか手が早いだとか中絶させたなんて根も葉もない噂がたっていた。


その内容は中学の頃よりも悪質で

俺にやられた連中が流していたのかもしれない。


「病院送りにしたとか」
「仲間、半殺しって聞いた」


同級生はおろか


「お、おはよう。よく来たな」


教師から恐れられていた俺は、出席日数が足りていなかろうが、なにを言われるわけでもなく自由な高校生活を送っていた。


ただ、なんなく毎日が過ぎ

夏休みを二週間後に控えた、そんなとき。


「夏休みの予定とかある?」

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