祈り









「美喜りん、今日終わったらだかんね~?た~くさん歌うんだぞっ?」
「あ、うん……」

“気持ち悪い”
自分が思われて嫌な言葉を
どうしてもこの子達に重ねてしまう。

馴れ馴れしいこの距離が私を狂わす。
近いのに、包まれているのに
私はどうして怖がってるのだろう?
自分でもよく分からなくなっていた。

「じゃあ、クラちゃん歌おうかなぁ~」

余所余所しい関係より、
ベタベタされるほうが嫌い。
そうだったはずなのに
孤独が怖くなってるんだ……。

「良いね~」
「じゃあ桜井歌うべ~!!」

教室の端で見ている前のグループに
私は怯えながら顔を作っていた。

もしかして、キモいって思ってる?
違う、違うの、私は違う……。
この子達とは違う。
ちゃんと普通に生きてる……!








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