祈り
私、嫌な子のままだ……。
普通なんて曖昧な言葉でくくって
あの子達を避けようとしてる?
入れてもらってるのは自分なのに……。
私、変だよ……。
「…………」
「どうした?」
「え?」
いきなり後ろから話し掛けられる。
この人は唯一あのグループで話せる人。
といっても男子だけど。
藤森啓。
爽やかで明るい。
リーダー的だけど虐めは反対。
虐められた人を慰める役。
私もこっち側になったんだって
初めてのときはこの人に泣きついた。
「藤森……」
「泣いてんじゃねーよ。困るって」
「ごめん……」
またぼたぼたと涙が出てくる。
ウザイって言われるかな、さすがに。
一つ一つの事にビクついてる。
「怒ってないよ、別に。ただ漬け込まれちゃうと思ったから。気をつけな」
「……うん」
こんなに優しいのに疑ってしまう。
こんな私、いても良いの……?