一途で甘いキミの溺愛が止まらない。
「そんなの教えるわけないよね」
「なんだよそれ、まあいいけど」
よ、良かった…。
私のためかなんなのかわからなかったけど、どうやら濁してくれたようだ。
でもそうなると、ますます上条くんのことがわからなくなる。
実は高校一年の時も同じクラスだったのだが、形式的な会話しかしたことがない。
ただないわけではなかった。
先生に雑用とか押し付けられやすい私は、何回も上条くんに手伝ってもらったことがあるのだ。
『一人じゃ大変でしょ?手伝うよ』
って言って手伝ってくれた時に、私は初めて上条くんはみんなに優しいのだと知ることができた。
何回も『大丈夫です』と断ったけど、『いいから』と言ってその度に手伝ってくれるのだ。
でも、会話はほとんどない。
その時にもプライベートな会話なんてした記憶はほとんどなかった。
あったとしても学校の話ぐらい。
でも一応同じクラスだった…わけだし、少し悲しいなって。
遊ばれてしまうくらい私の価値はないのだろうなって思うと、少しだけ泣きたくなった。