【続】アーモンド~キミとの未来~
「気持ちはありがたいけど、オレはその子のこと忘れられないから。だから、ごめんなさい」
「あ、いいんです。その…なんとなく分かってたっていうか…」
「あまりこういう言い方したくないけどオレに構わないでほしい。お互いもう三年だから就職に支障出たらお互いのためにならないからね。じゃあ」
秋斗は雪乃の返事を待たずにその場を立ち去る
雪乃はその後ろ姿を黙って見るしか無かった
彼もキツイ言い方をしたのは申し訳ない気持ちはあったがお互いのためであった
そうでなければ秋斗自身、気持ちが揺らぐ気がしたのだ
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「お、戻ったか。席取っといたのとお前の分の飲み物な」
「ああ、悪い」
食堂に行くと早瀬が待ってましたと言わんばかりの顔をしていた
そして先に買っていたジュースを秋斗に渡すと隣に座る
食堂は全学科共通で使うためイヤでも雪乃と顔を合わせることになってしまう
「で?あの子の要件ってなんだったの?」
「お前がいま頭ん中で考えてることと同じ」
「コクハクってやつね。秋斗はモテモテだねぇ」
「そんなんじゃないって」
「答えは…って聞くまででも無いか。お前のことだから断るだろうしな」
早瀬も秋斗が断ることはわかっていたのだった
fin.