【続】アーモンド~キミとの未来~
病院に行く途中、早瀬の"羨ましい"の言葉が蘇った
秋斗は父親が再婚するまで一人っ子だった
血は繋がってないとはいえ、姉兄がいることを昔羨ましいと思ったことがあった
ほのかの弟である遥斗を可愛がるのもなんとなく悪くないとも思ったり
「……羨ましい、か」
今度早瀬に叶実と翔也を紹介してやろう、と内心思いつつ病院へと向かう
「お、秋斗」
「翔兄」
病院の入口で同じく見舞いに来ていた翔也とばったり会う
「学校終わりか」
「うん。翔兄はどっか行ってたのか?」
「病院食だけじゃ飽きるかなって思ってフルーツとかお菓子とか買ってきたんだ」
「それ大丈夫なのか?」
袋に入ってるフルーツやお菓子を見て不思議そうにする
「大丈夫だ」なんて翔也ははっきりという
彼は一応看護婦さんや担当医師に聞いていた
差し当たりが無ければ大丈夫だと
フルーツは差し入れの定番でもある
「叶実の体調次第だから無理に食べさせないって。余ったらオレらで食べればいいかなーって」
「それもそっか。叶実姉、最近体調良いもんな」
体の弱い叶実は何かしら体調をよく崩すことが多かった
そのため秋斗と一緒にいた時間も少なかった