死席簿〜返事をしなければ即、死亡
矢井田さんが、私たちを睨んでいる。
その目は血走っていて、完全に【狩人】の目をしていた。
北野くんの舌を咬みちぎって死に追いやったくらいだ。その時点で覚醒してしまったのか、スタンガンの火花を散らせながら、今にも飛びかかってこんばかり。
一方、知念さんは立ち上がったものの、まだ怯えていてナイフの刃先も床を向いている。
これじゃダメだ。
今、先生は武器を持ってはいない。
全部、私たちが持っているからだ。
襲いかかるなら今じゃないか?女3人だが、ナイフにスタンガンがある。私のスマホは役に立たないが、3人ならなんとか__。
腕組みをして窓にもたれかかり、高見から私たちの戦いを見物している今井先生はきっと、油断している。
女が3人でなにも出来ないと、だから武器まで与えたんだ。
名前を呼ぶだけ。呼ばれても、返事さえすればいい。
それなのに__私の考えを伝えようとアイコンタクトを送るが、矢井田さんにも知念さんにも伝わらない。
それどころか__。
「最後まで生き残るのは、私なんだから」
それは、自分自身に言い聞かせているようだった。
自分が生き残ると何度も唱えながら、矢井田さんが動いた。
スタンガンを突き出す。
知念さんに向かって__。