死席簿〜返事をしなければ即、死亡
「危ない‼︎」
私が叫ぶが、知念さんは恐怖に支配されていて金縛りにあっている。
スタンガンが、ばりばりと音を立てて__。
【矢井田ミキ】
時が止まった。
全員が、息すら忘れたように動きを止めた。
「__はい」
食いしばった歯の間から、悔しげな返事が漏れる。
そして矢井田さんは、ぎろっと私に首を向けた。
【矢井田ミキ】
「はい」
【矢井田ミキ】
「はい」
一歩ずつ、返事をしながら、矢井田さんが近づいてくる。
【矢井田ミキ】
どれだけスマホをタップしても、距離は狭まるだけ。
完全に私に狙いを定めた矢井田さんが、にんまりと笑った。
「はい」
ばりっ。
スタンガンが、目の前で音を立てる。
【矢井田ミキ】
名前を呼ぶ弱々しい声が聞こえた途端、手を払われてスマホが飛んでいった。
「はい!」
腹の底から返事をした矢井田さんに肩をつかまれ、そのまま押し倒された。
「や、やめて!」
「私が勝つのよ!」
腹の上に股がられ、スタンガンを押し付けられる。
ばりっ。
耳元で音がした。
だめだ。
このままじゃ。
このままじゃ__。