懲らしめて差し上げますっ!~じゃじゃ馬王女の下克上日記~
ラナの中には激しい怒りが、烈火の如く湧いていた。

いつもはクリッと丸い碧眼を三角につり上げ、愛らしい唇を引き結ぶと、ギリギリと歯噛みしている。


(両家の頑固親父は愚か者だけど、死を選ぼうとする、ふたりも間違っているわ!)


けれどもラナは闇雲に怒り出すのではなく、努めて冷静にジュリエッタに声をかけた。


「飛び降りるのは駄目。命を粗末にしてはいけないよ」

「ラナさんには、私の気持ちはわからないわ!」

「わかるよ。私にも、誰に反対されたって離れたくない人がいる。だから、そこで待っていなさい。私がなんとかするって、昨日、約束したでしょ?」


ラナが下から揺るぎない視線を向ければ、ジュリエッタはハッと息をのむ。

彼女が言い返す言葉を失ったのは、ただ者ではない雰囲気を、ラナに感じ取ったためであろう。


両家の父親は、子供たちが心中するなどと言い出したのはお前のせいだと、唾のかかる距離で罵り合っていた。

そんな両者に近づいたラナは、彼らの頬を平手で一発ずつ叩く。

広場にパチンと痛そうな音が響けば、その場にいる皆が驚いた顔をして、ラナに注目した。

< 114 / 225 >

この作品をシェア

pagetop