懲らしめて差し上げますっ!~じゃじゃ馬王女の下克上日記~
侯爵の説明によると、イブシゲルが狂ったように暴れて取り調べることもできず、今は鎮静剤を打って眠らせているそうだ。
持続時間の長い強力な鎮静剤のため、丸二日は目覚めぬという話であった。
「ほう、そうでしたか」
身振り手振りを交えた侯爵の説明に、イワノフは口角を上げて頷いていたが、目の前の溶けかけたシャーベットに意識を戻そうとはしない。
作り笑顔をスッと消すと、丸眼鏡の奥の瞳を鋭くして、侯爵を追い込もうとする。
「それでは、交易台帳を拝見するとしましょうかの」と言ったのは、この屋敷に入る際、証拠品を確かめたいと言われて、侯爵に取り上げられてしまったからである。
イワノフはまだ全てのページに目を通してはいない。
「取引先を把握し、そちらも調査せねばなりませんな」と言って侯爵に、交易台帳を渡すよう要求した。
賢者に静かに攻め込まれた侯爵が、言葉に詰まった様子で唸り声を漏らしている。
しかし、すぐに焦りを消して笑顔を作ると、こう切り返してきた。
「我が領地内で起きたことにございます。こちらで全て調査してから、中央政府に結果をご報告いたします。大審院長殿のお手を煩わせることではございません」
持続時間の長い強力な鎮静剤のため、丸二日は目覚めぬという話であった。
「ほう、そうでしたか」
身振り手振りを交えた侯爵の説明に、イワノフは口角を上げて頷いていたが、目の前の溶けかけたシャーベットに意識を戻そうとはしない。
作り笑顔をスッと消すと、丸眼鏡の奥の瞳を鋭くして、侯爵を追い込もうとする。
「それでは、交易台帳を拝見するとしましょうかの」と言ったのは、この屋敷に入る際、証拠品を確かめたいと言われて、侯爵に取り上げられてしまったからである。
イワノフはまだ全てのページに目を通してはいない。
「取引先を把握し、そちらも調査せねばなりませんな」と言って侯爵に、交易台帳を渡すよう要求した。
賢者に静かに攻め込まれた侯爵が、言葉に詰まった様子で唸り声を漏らしている。
しかし、すぐに焦りを消して笑顔を作ると、こう切り返してきた。
「我が領地内で起きたことにございます。こちらで全て調査してから、中央政府に結果をご報告いたします。大審院長殿のお手を煩わせることではございません」