懲らしめて差し上げますっ!~じゃじゃ馬王女の下克上日記~
「交易台帳にあった麻薬取引先の名簿と、出荷量、売買金額及びその日付です。書き出したのはここ三カ月分ですが、あの台帳に記されていたものは、一文字も漏らさずに再現できますので、必要なら仰ってください」
そういえば、イブシゲルが連行されていった時、オルガは工場の敷地内で交易台帳を読み込んでいた。
超人的な記憶力の彼女がいれば、手元に実物がなくても困ることはないのだ。
イワノフは渡された名簿を見て、微かに口の端をつり上げると、横目で侯爵を見る。
「おや、高額取引先の中に、ひとりだけ女性がおりますな。ソフィア・シュワルツ……アダモビッチ侯爵は、この者をご存知ですかな?」
「さ、さあ……私の知らない名前ですな」
とぼけ顔をしている侯爵は、赤ワインをひと口飲むと、「なんて旨いワインなんだ。非常に味わい深い」と感嘆している。
二杯目だというのに、今その感想を言うには違和感がある。
話を逸らしたい様子の侯爵であったが、その企みは、オルガがによって阻止されてしまった。
「私の記憶によりますと、二年前の六月十日、アダモビッチ侯爵家の長女ソフィア様が、隣国に嫁いでおります。今の姓は“シュワルツ”。台帳に記されていたお名前と同じです」
そういえば、イブシゲルが連行されていった時、オルガは工場の敷地内で交易台帳を読み込んでいた。
超人的な記憶力の彼女がいれば、手元に実物がなくても困ることはないのだ。
イワノフは渡された名簿を見て、微かに口の端をつり上げると、横目で侯爵を見る。
「おや、高額取引先の中に、ひとりだけ女性がおりますな。ソフィア・シュワルツ……アダモビッチ侯爵は、この者をご存知ですかな?」
「さ、さあ……私の知らない名前ですな」
とぼけ顔をしている侯爵は、赤ワインをひと口飲むと、「なんて旨いワインなんだ。非常に味わい深い」と感嘆している。
二杯目だというのに、今その感想を言うには違和感がある。
話を逸らしたい様子の侯爵であったが、その企みは、オルガがによって阻止されてしまった。
「私の記憶によりますと、二年前の六月十日、アダモビッチ侯爵家の長女ソフィア様が、隣国に嫁いでおります。今の姓は“シュワルツ”。台帳に記されていたお名前と同じです」