懲らしめて差し上げますっ!~じゃじゃ馬王女の下克上日記~
全てがマリアンヌ嬢宛の手紙かと思いきや、宛先がそれぞれ別の娘だと聞かされ、質問した公爵も、他の貴族たちも驚き呆れている。

ラナはさらに三通を開封し、読み上げた。

【愛しきアイリーン……】
【魅惑なフローレンス……】
【我がビーナス、ユリアナ……】

内容は使い回しの似たような文章で、どの手紙の最後にも、城に迎えたいという王太子の希望が書かれていた。

宛名の女性たちの中には、上級貴族の娘はひとりもおらず、貿易商や船会社など、商人の娘が多い様子。

それはもちろん、ハーレム宮に愛人として囲うつもりでいるからだ。


「な、なぜ、出したはずの手紙を、妹が持っているのだ……」

青ざめた王太子が、独り言のように呟いている。


一週間ほど前に、彼は手紙を出しておくよう、近侍に指示をしていた。

その会話を盗み聞きしたオルガが、ラナに報告し、ラナから国王に伝えられた。

そして国王命令で、郵送する前に手紙を差し押さえていたのだが、そんなことになっていたとは知らない王太子は、いつ返事が届くかとワクワクして待っていたことだろう。

正真正銘のアホである。

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