懲らしめて差し上げますっ!~じゃじゃ馬王女の下克上日記~
中央に赤絨毯が長く敷かれ、それは最奥の祭壇まで延びていた。


イワノフたち要人や有力貴族、二百名ほどが立ち並んで見守る中で、司祭に呼ばれたラナは赤絨毯の上を規定の三十一歩で進み、祭壇の前まで行く。

壇上でラナを待っているのは、現国王であり、彼女の父である、アレクサンドル二世だ。

国王の顔つきは引き締まったものであるが、目は優しげに細められ、この日が来るまでの娘の努力を讃えているかのようであった。


この崇高なる父娘に、司祭が祈りを捧げた後は、戴冠の儀に移る。

ラナが国王の前に片膝をつくと、固唾をのむような微かな音が周囲から聞こえる。

見ている方が苦しくなりそうな、張り詰めた空気であるが、ラナの口元はわずかに綻んでいた。

スッキリと澄み渡った碧眼は、もうこの国の未来を見据えている。

国を担うという、揺るぎない覚悟が定まっているため心は少しも揺れず、緊張感さえ楽しむことができるのだ。


ラナの頭のティアラが外されて、代わりに、父の手によって金の王冠が被せられた。

王位が継承された瞬間である。

王冠のずっしりとした重みは、ラナが背負う責任のよう。

優雅な仕草で立ち上がった新女王は、見届け人の列席者たちに向き直ると、誓いの言葉を口にする。
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