懲らしめて差し上げますっ!~じゃじゃ馬王女の下克上日記~
女王即位のために、悪者成敗の旅をせねばならなかったことからわかるように、議会で法改正を承認させるのは容易ではない。

必ずや待ち受ける困難を、堂々と楽しげに乗り越えようとしている彼女に、カイザーは尊敬の眼差しを向け、フッと口元を綻ばせた。


「最強だな」

「当然でしょ」


そんな言葉を交わし、肩を揺らして笑い声をあげるふたりであったが、急にカイザーがラナの腰に腕を回して引き寄せた。

「キャッ!」と娘らしく驚いた彼女を抱きしめる彼は、瞳を潤ませ、男の色香を溢れさせている。


「ラナ……愛してる」


やっと口にしてくれた愛の言葉に、胸を高鳴らせたラナは、カイザーから視線を外して恥じらいながら、「私も……」と小声で答えた。

その直後に、唇を奪われる。


初めてのキスは半年以上も前のことで、一瞬触れただけの軽いものであり、かつ、仕返し的な意味合いでされたものであった。

あの時とは違い、二度目のキスは目を閉じてゆっくりと交わされる。

お互いの唇の感触を確かめ合い、少しずつ濃く深く、情熱的に求め合って……。


もう離さないと言いたげに、痛いほど強く抱きしめられたラナ。

そんな彼女も、彼をどこにも行かすまいとして、騎士服をぎゅっと握りしめている。


(他の人は嫌。私が苦楽をともにしたいと思う伴侶は、カイザーしかいないわ……)


甘いキスに酔いしれながら、大きく育った恋慕の感情に、胸を焦がすラナであった。



【完】

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