懲らしめて差し上げますっ!~じゃじゃ馬王女の下克上日記~
ジュリエッタの恋人はロメオという名の二十歳の青年で、町一番の鍜治屋、テッコーマン家の息子だという。
テッコーマン家の主人とジュリエッタの父親は昔から相性が悪く、なにかにつけて意見を衝突させてきたらしい。
当然のように、両家の親は子供たちの交際に猛反対で、ロメオとジュリエッタは隠れてコソコソと会うしかない。
ふたりには将来的に結婚したいという意思があるけれど、駆け落ちでもしない限り、不可能だと嘆いているそうである。
それを聞いたラナは、憤った。
(なんて酷いの。子供を愛しているなら、仲の悪い相手だとしても我慢して握手するべきじゃない。ロメオとジュリエッタが可哀想よ!)
話し終えたジュリエッタは、前途多難な恋に目を潤ませ、俯いてしまった。
その華奢な両肩を、ラナがガシリと掴む。
驚いたように顔を上げたジュリエッタを強気な碧眼に映したラナは、ニッと笑って励まそうとする。
「私がなんとかするから泣かないで」
「え? あの、なんとか……とは?」
「コナヒキー家とテッコーマン家の主人ふたりを、握手させてみせる。まずはジュリエッタの父親からね。子供の幸せのために仲良くしなさいと説教してくるわ!」
テッコーマン家の主人とジュリエッタの父親は昔から相性が悪く、なにかにつけて意見を衝突させてきたらしい。
当然のように、両家の親は子供たちの交際に猛反対で、ロメオとジュリエッタは隠れてコソコソと会うしかない。
ふたりには将来的に結婚したいという意思があるけれど、駆け落ちでもしない限り、不可能だと嘆いているそうである。
それを聞いたラナは、憤った。
(なんて酷いの。子供を愛しているなら、仲の悪い相手だとしても我慢して握手するべきじゃない。ロメオとジュリエッタが可哀想よ!)
話し終えたジュリエッタは、前途多難な恋に目を潤ませ、俯いてしまった。
その華奢な両肩を、ラナがガシリと掴む。
驚いたように顔を上げたジュリエッタを強気な碧眼に映したラナは、ニッと笑って励まそうとする。
「私がなんとかするから泣かないで」
「え? あの、なんとか……とは?」
「コナヒキー家とテッコーマン家の主人ふたりを、握手させてみせる。まずはジュリエッタの父親からね。子供の幸せのために仲良くしなさいと説教してくるわ!」