こじれた恋のほどき方~肉食系上司の密かなる献身~
親父に頭を下げるなんて後にも先にももうないだろう。情けないことに俺にはまだ力が不十分だ。けれど、どんなに頭を下げたって背に腹はかえられない。

親父さんのこともあるのに、これ以上彼女に余計な心配事を増やしたくない。だから、ソニリアの上層部の話は酒井にするつもりもない。

この問題は俺が解決しなければ……。

「ほぅ、それはいったいどんなことだ?」

幸い父は寛容な性格だ。とりあえず話だけは聞いてくれる。

「今から言うこと、問答無用ですべてに親父の許可が欲しい」

そう言って俺は心の中で不気味な笑みを浮かべる上層部の連中に宣戦布告をしたのだった。
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