Green Apple
結末、した。
したつもりだった。
それでもって、
2学期からは色々思い悩んでいた1学期の前、
つまり山内が転校してくる前の日常のような生活を、と思っていた。
思って、いたのに。
本当に、
何というタイミングだろう。
新学期初日、席替え。
1番左の後ろから2番めになった。
そこまではいい。ベストな席だ。
右は特に話したこともない、ただのクラスメイトA君。
それもいい。
しかし、俺の後ろはなんと山内。
しかも山内の右は空席だ。
ちなみにガリ勉の席は超真逆。どうでもいいけど。
それよりも、なんてこった。
…よし、まず
落ち着こう、いや落ち着いてる。
心中穏やかだ。
俺はもう1学期の俺とは違う。はず。
あっ、
今、山内が道具一式持って後ろに来たような音がした。
前を向いたまま腕を組む。
これってチャンスだよな。
…いや待て、何のチャンスだ?
山内はガリ勉と付き合っているんだっけ。
じゃあ、話しちゃマズイよな。
ふつうに、そう普通に
回ってきた配布物プリントを回すだけ。
後ろから回収するプリントを受け取るだけ。
ただそれだけのこと。
それなのに、嬉しくてたまらない自分がいるなんて。