真実(まこと)の愛

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結局、守永とは店を変えて呑み直しをすることはなかった。

麻琴はタクシーで彼に送られて、お台場海浜公園駅近くの自宅マンションまで帰ってきた。

……明日も仕事だし、今夜はもう寝てしまおう。

ぐったりした気持ちでリビングに入った麻琴は、その前にシャワーを浴びてすっきりさせようと思い、右手のピンキーリングを外した。

松波からもらって以来、ほぼ肌身離さずつけているオパールとダイヤのフォークリングだった。

そして、そのとき……今さらながら、それがJubilee(ジュビリー)のリングであったことに気づいた。

松波は麻琴に、久城(くじょう) 礼子(あやこ)がデザインしたリングをプレゼントしていた、ということだ。
麻琴の顔が、痛々しく歪んだ。

そのあと、美しいデザインのフォークリングは、壁面に造り付けされているシステム収納の引き出しの中へ、ケースにも入れられず無造作に放り込まれた。

ゴミ箱に直行しなかったのは、松波に突っ返すためだ。それまでは、二度とこの目で見たくなかった。

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