真実(まこと)の愛

自販機のあるリフレッシュスペースからの帰りのようだ。その通り道に医務室があった。

そういえば、麻琴自身もユニマットを買いに行くために席を外していたことを思い出した。

「どうした、麻琴……具合でも悪いのか?」

不思議そうな顔で、守永が麻琴に尋ねる。
つい先刻(さっき)まで元気そうにしていたのだから、そう思ったとしても無理はない。


「……『麻琴』だと?」

背後から、唸るような低い声が聞こえてきた。

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