10歳年下の部下を溺愛しすぎて困ってます
二人で部屋の中に移動する。

「あのね、聞きたいことっていうのは昨日のことなんだけど…。」

「うん。」

「私、何一つ覚えてないんだよね。」

「は?」

正面にいる伊藤君の顔が固まったのが分かった。

「ごめん、何一つっていつから?」

「うーん、二次会の最初は覚えてるよ。

ビール飲み始めは楽しかったー。」

「それは良かったね。

それはいいんだけど、その後はどこまで覚えてるの?」

珍しく彼が焦っている気がする。

「その後は、何にも覚えてない。気づいたらここで朝だった。」

「マジか…。」

彼が両手で頭を抱える。

「いやー、何かごめんね。忘れて。

そんなに大事なことあったの?」

「ていうか、理子さんは気にならないの?

起きたら裸だったんだよ?普通そのまま帰る?

オレのこと起こせば良かったじゃん?」

「また午後に来る約束してたから。」

「理子さん、変人だったっけ…。」

彼が大きく溜め息をつくのが聞こえた。

「もういいよ。説明する。」

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