最強の暗黒龍は喪女にゾッコン ~VRMMOの裏ボスが子作り前提で求愛してきました~

 こんな感じで、たまに冗談が通じなくなるのが困るよね。
 これが天才が見せるポンコツな一面かぁ。
 それで、一緒に寝るのか? 寝ないのか? と判断を急かされた。

「絶対、嫌です。思い出しても見てください。私達は敵対し、生死を賭けて戦った関係だったんですよ? そんな相手と仲良く枕を並べて寝たいと思いますか?」

「……確かに、ヒナタの言い分には一理ある。仕方あるまい。許しが出るまで、我はここで寝よう」

 へへへ、残念だったな。
 君は3ヶ月、ずっとここで寝るんだよ!
 背を向けたエヴィエニスの背後で、最高のゲス顔をキメる私。

「日曜日……いえ、3日後には仕事が休みになります。隣近所への挨拶をして、ショッピングモールへ買出しに行きましょう」

「挨拶? 買い物?」

「まあ、その日になってみれば分かりますよ」

 勤勉なドラゴンは聞かされる言葉一つ一つに興味津々だが、私は説明を放棄する程に疲れ切っていた。
 これじゃ、LOVEどころか、LIKEにも満たない。
 私としては好都合だが、エヴィエニスが少々哀れに思えた。
< 123 / 146 >

この作品をシェア

pagetop